2016年4月12日火曜日

バカ正直な道化師の種明かしは

「困ったな」。
そう思った。
ハリボテの私は脆くも崩れ始めた。

私は無感動なようだ。
誤解のないように補足をすれば、
旋律や言葉や色とかいった美しさだとか、人が高揚し影響された点はどこだったかとかいうことは明確に解る。
驚きもするし、理解はしているつもりだ。
しかしそれが実感を伴って迫っては来ていない気がしている。
達成感然り。やったぞ、とかない。

それを所構わず言ってしまうと困るのは私ではなく周りなので、「わかった通り」には振る舞う。振る舞える。
が、正直なところ、苦しい。
時々逃げたくなる。

この感覚が通常期待されるものと乖離しすぎていることもわかるので、
理解されにくいものであろうことも想像に難くない。

「なんでそう難しく考えるの」と言われても、難しく考えているつもりは毛頭ない。
視点が違うだけといえばそれまでだが…。
埋められない溝の位置も、その深さも知っている。
それでもなお埋めることができない理由が理解されないのが辛く、もどかしい。
「わかっているなら埋めればいいのに。」と簡単に言ってくれるが、
そうできるものなら最初からしていると返したい。
が、その返しも理解されないことを知っているので
そうだね、がんばるよ、と笑ってみせるしかない。
虚しく、苦く、辛い。

同じ気持ちを共有できていないということに
尽く直面させられる日々には慣れっこだけれど。
そう感じたのが私だけでなくなってしまえば、
悲しまれ、疑問を抱かれ、諦められ、離れられてしまうのも必然なのかもしれない。
子供騙しが通じなくなれば、引き留めるすべもなくなる。
仕方ないよ。強要はしたくない。
縛り付けたところで、誰も幸せにはなれない。


「やっぱり」他人に期待なんてするんじゃなかった、と思う自分がいる。
悔しいとか悲しいとかは鳴りを潜めてしまって。
また一人に戻るだけ。何も変わらないと言い聞かせる。
そうだよね、いい夢が見れてよかった。
それだけで幸せだと思っている。心の底から感謝している。

こんなことを言ったらまた、
困った顔をされてしまうのだろうか。

なんて、伝えたくても言えない気持ちが雪のようにまた積もる。
凍えてしまえば、きっと寒さも感じない。

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